海外で日本人が良く訪れるレストランで、料理を運んできてくれたウェイターのお兄さん達がにこにこしながら「イタダキマース!」 えっ、 一緒に食べるつもり? ”Bon appetit!”(ボナペティ)の日本語として誰かに聞いたのだろう。TPO(死語?)に合った使える言葉を教えるのは難しい。
ベストセラーになった漫画「日本人の知らない日本語」の第三巻に海外で使われている日本語の教科書からびっくりするような例文が紹介されている。「これは私の犬ですか?」「いいえ、山田さんの猫です。」ツボにはまったと言うのだろうか、真夜中だというのに大声で笑ってしまった。しかし落ち着くと、逆にどのような状況でこの会話が成立するかが気になりだした。
昔の中学英語の教科書で最初に習う例文 ”This is a pen.” 使えない英文の典型だったと思う。ところが2010年公開の映画「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々」では主人公がはっきりとこれを口にするのだ。武器だと言って渡されたのが1本のペン。思わず「ただのペンじゃん」と抗議するシーン。あれ?そうすると ”I am a boy.” にも使い道があるかもしれない。母親の趣味でひらひらの洋服を着せられた子供が「あら、可愛いお嬢ちゃん」と褒めたつもりの知らないおばさんに口を尖らせて反論する場合とか・・・。うーん、どちらにしてもレアなケースだ。
そこで犬と猫だが、例えば陶芸教室で置物を作った初心者が、焼き上がった作品の区別が付かず先生に質問している、と言うのはどうだろう。やっぱりレア?
ちなみに研修などで海外から招かれた講師に教えて受けが良い日本語が「問題ない」だ。語尾を上げて質問にすれば講演の途中で「ここまで理解できましたか」の意味になるし、演習中に受講者のテーブルをまわりながら声をかける時も、受講生からの相談に乗る時も使える。おまけに Monday night と覚えればまず忘れない。お試しあれ。
(「毎日フォーラム 日本の選択」2012年5月号掲載)
ヾ(@^▽^@)ノわはは
犬と猫のくだり、母にも読み聞かせ、
2人で大声で笑ってしまいました。
楽しいお話をありがとうございます。
良かった!
でんでんさん、
同じツボで笑ってくれる人がいて嬉しいです!
この犬と猫は、しばらく思い出し笑いをしてしまうくらいはまりました・・・(^_^;)