意外に思われるかもしれないが日本語の「ホーム」はちょっとトリッキーだ。極端な例だが「そこはホームに相談しないと・・・」と言われててっきり法務 legal department のことだと思ったら、その会社では米国本社をホームオフィスと呼んでいてそちらのことだった。ああ紛らわしい。
一般的な例ではインターネットのホームページ。英語では website で、英語で home page と言うとそのサイトのトップページのことを指す。ほらね、ややこしいでしょう? さらに駅でよく聞くアナウンス「電車とホームの間が空いておりますので・・・」と言う時のホームは home ですらない。
プラットフォーム platform とは、駅のホームの他に演台や舞台、靴の厚底や厚底シューズそのもの、個人がよって立つ信条や政党の綱領、議論を行う場やたたき台などを意味する。ずいぶんと幅が広いが、若干高くした台でその上に人や物が載るものと考えるといずれも納得がいく。ちなみにICTの世界ではアプリケーションの開発を行う際にそのアプリが乗る台、すなわちターゲットとするハードウェアや OS の事を指す。例えばゲーム開発のプラットフォームと言ったら、ゲーム機 gaming console が Wii なのか DS なのか、はたまた PS 、あるいは XBox なのかと言う意味だし、スマホのアプリなら iOS かアンドロイドか、ということだ。
ところで私には妙な笑いのツボがあるらしい。昔々駅のホームの線路際には白線が引かれているだけだった。その後黄色い点字ブロックが敷設されるようになった頃のこと。駅員さんのアナウンスが「電車が参りますので、黄色い白線の内側にお下がりください。」・・・黄色い白線?! 笑いをこらえることができずそのまま電車に乗ったら間違いなく「変な人」 weirdo になってしまう。泣く泣く(大笑いしながら!)1本見送ったのだった。
(「毎日フォーラム 日本の選択」2012年6月号掲載)